【代表インタビュー】PROJECT any開始の背景について
- OVER20 Manager
- 4月18日
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先日、弊社代表の糸井が登壇したイベントで「PROJECT any」の誕生背景や課題へのアプローチ方法について共有しましたので、その内容を一部ご報告いたします。
問.「PROJECT any」事業着手の経緯
若手の離職要因は、20代の視野狭窄が原因?人生・キャリアをパーソナル空間で考える機会を提供し、個人と会社のミスマッチを減らす「プロジェクトエニー」
エニーの構想は、①大卒3年未満の離職率が年々増加している事実、そして②それらが20代の視野狭窄によってもたらされているという、私たちの仮説、③その結果、OJT(企業の教育)の負担が増加していることから、20代が自身の人生やパーソナルビジョンについて考えられるパーソナル空間を提供することでこれらすべてを解決する社会装置として誕生しました。
私たちは創業以来、自律型人材養成のための対企業向けサービスとして「MENTOR WORKOUT(以下、メンターワークアウトという)」という外部から若手社員にキャリア面談を提供する組織コンサルティング事業を展開しています。メンターワークアウトの実績としては、某大手外食企業での離職率低減実績としては、1年間で10%以上削減するなど、離職意向のある20代の約8割のリテンションに成功してきた実績があります。これらの実績を踏まえ、私たちが言えることは、多くの20代が離職・転職を検討する背景には、20代自身の考える視点・視野が狭くなっていることが主な要因だということです(もちろん、キャリアアップにつながる離職も一定在りますが、ここではそうではないケースを前提にしています)。
私たちが生きるこれからの働き方は、従前とは異なり年功序列型での昇進が想像しづらく、また物価も上がり生活が厳しくなる一方です。また、SNSやインフルエンサーを介した啓蒙や転職情報の拡散、自由に働く同世代の活躍が目に留まりやすくなったことで、自身の将来・キャリアに不安感を覚える人が増加し、このままで良いのかと考える中でリクルーターから仕事のオファーや面談依頼がしきりに届き、転職の甘い部分だけに惑わされ転職をしてしまう方が多いと考えています。
離職・転職を自身の人生をポジティブにするステップとして活用できるかのポイントは、自身の価値観に即し離職・転職という判断に至るまでに触れた情報がどれだけ多角的か、です。
現代は膨大な情報に溢れており、一人が扱う情報量も急激に増加しています。インフルエンサーからの受け売りの言葉を放つとそれらしいことを言っている気になり、私たちの世代の多くは、おそらくは、自身が多くの情報、あるいは正確らしい情報に触れており、キャリアに対する正しい選択ができていると錯覚しているのではないでしょうか。SNSやネットの情報の多くは、良くも悪くもパーソナライズされた情報であり、また情報の背景を読み手がどの程度推し測ることができるのかは人それぞれです。
人生100年時代、会社に依存せずに自らのキャリアは自らの手でつかみ取る。こうした言葉に感化された私たちは、より良い成長環境・待遇を求めて転職という手段を容易に選択できる時代にいます。
だからこそ、私たちは、転職やキャリアについて、もっと戦略的に考えるべきだと考えています。その戦略は、個々人の在りたい人生に沿って描くものです。だから私たちの提供するメンターワークアウトでは、1対1の空間の中で在りたい姿を言語化し、その上で自身が置かれた環境をどのように自分のために活用できるのかを共に考えられる空間を提供しています。自身の将来に対する解像度を上げることで、個人の生産性は向上し、個人・会社双方にとってよくない離職・転職は、一時的に、確実に減っていきます。
一方で、メンターワークアウトのように自分の将来・人生について考える機会を持たない若手人材は多く、SNSやハラスメント・コンプライアンスの高まりを背景に、企業が行う若手人材へのOJT負担は年々増加しています。
個人のパーソナルビジョンや軸があれば、不要な離職が減り、企業のOJT負担も軽減する。若手人材一人一人に対して、就職活動とは関係なく、大学1年生のころからそうした人生やキャリアについてじっくりと考えられる、実践できる機会が必要だと考え誕生したのがエニーです。
問.協賛企業へのアプローチ
サステナビリティ×採用の可能性
アウトバウンド営業では、サステナビリティ部門をターゲットにしています。一括採用を担う人事部採用担当者の皆さんは、人手不足が続く中で年間に課せられる採用目標が高く年度目標達成に向けた戦略・実行に注力される方が多い印象を持っています。
一方で私たちのアプローチは、先述の通り、長期的な視点を持ち自社に興味・関心を持つ次世代を育てていくため、経営視点からの人材戦略に非常に近しいものだと認識しています。また、社会全体で次世代人材の育成を行う観点から、社会性のある事業でもあります。
そのため、エニーはCSRやサステナビリティ部門との親和性が高いと言えます。実際に、現在3期目の取り組みをさせていただいている某民放企業様では、カウンターパートはサステナビリティ推進部ですが、イベントを開催する際は人事部や広報部などと連携させていただいております。ご担当の方からは、自社イベントでは集まらない層の学生が集まるのみならず、そこからインターン参加生が2名(イベント参加者は約20名)決まるなど、新しいチャネルとしての機能を果たしていると、評価をいただいております。
問.自社採用のポイント
語れる人材であるか
あるデータによると、入社3年以内に退職したZ世代の退職理由で最も多かったのは「キャリア・個人の成長」なんだそうです。実際に私自身、多くの学生と話していると、交流する社会人を通して、自分がその会社に入社した際の将来の自分に重ねてみる人は多く感じます。
社会的意義を大切にする学生は近年増加していますが、そうした学生が見ているポイントとしては、「何のために働くのか」という問いに対して、自分の言葉で説明できる人は学生の心に響きやすく、企業に対する心証アップにつながる印象です。
問.事業成功のポイント
サービスの差別化は、哲学を持っているかどうか
1つは、当たり前のことではありますが、課題起点でサービスを検討することです。学生が求めるものに真摯に向き合い続けられているかどうかということです。
エニーでは、新規エントリーの約2割がエニーに所属する方からの紹介になっています。採用市場は短期的な施策が多くレッドオーシャンですが、本当に就活生や20代のことを考えるとより長期的な施策・サポートが必要なことは自明です。
次に、会社やサービスに哲学があるかどうかです。
情報格差が少ない現代においての差別化ポイントは、経営者やその会社が持つ思想・哲学そのものにあると考えています。大切にしている価値観を社員に伝え、そこからサービスを活用する人に以下に伝播していくか、それがこれからの時代のサービスの差別ポイントなのだと思います。
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