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一帯一路(Belt and Road Initiative)

一帯一路とは、中国の習近平国家主席が2013年に初めて打ち出した構想であり、中国と欧州をつなぐ広域経済圏構想を指します。





背景


アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートをつくって、貿易を活発化させ、経済成長につなげることが目的で始まりました。

古来、中国とヨーロッパをつないだ交易路「シルクロード」の現代版だと、中国側は大々的に宣伝して、各国に参加を呼びかけました)


その背景には、中国の苦しい内情がありました。

1980年代以降、人口抑制のために実施された「一人っ子政策」の影響により、人口の高齢化が進む一方で、生産年齢人口の伸びは次第に鈍化しています。加えて、対米関係をはじめとした外部要因によって、中国経済には下押し圧力がかかり、実質GDP成長率は年々減少傾向をたどっています。


また、リーマンショックによる影響を受けた中国ですが、経済失速を防ぐための景気刺激策として、新幹線増設するなど国内のインフラ整備を一気に進めてきました。その結果、リーマンショック後、世界に先駆けて中国は成長を回復させることに成功しました。


しかしながら、その後、過剰生産した国内生産物を輸出する必要に迫られ、2013年、中国政府は国内の過剰生産能力を緩和するために一帯一路を打ち出しました。






名称の由来


一帯一路の”一帯”は、中央アジア経由の陸路「シルクロード経済ベルト」を指し、”一路”はインド洋経由の海路「21世紀海上シルクロード」を意味します。


鉄道や港湾などインフラの整備を進めることで、途上国は中国の協力で自国の経済発展が促されると期待し、先進国は自国企業のプロジェクト参入を狙っています。(下図参照)


中国と欧州を結ぶ貨物列車の運行数は右肩上がりに伸び、2011年に17本だったものが、6年後の2017年には3,673本、2018年には6,300本まで増便されました。


貨物列車のメリットとしては、例えば、日本からヨーロッパに何か運ぶ際、船だと1か月くらいかかりますが、この貨物列車だと、2週間ぐらいで到着します。税関もありますが、ほとんどノーパスで通ると言われています。


運んでいるものは、食料品や嗜好品だけではなく、原油や天然ガスを運ぶパイプラインも整備しています。






主な参加国


2019年4月時点で、126カ国および29の国際機関との間において、一帯一路の署名が交わされています。以下、参加国の一部をご紹介します。


欧州

イタリア・ギリシャ・ポルトガル・ルーマニア・チェコ・ポーランド・ロシア


オセアニア

オーストラリア・ニュージーランド・パプアニューギニア


アジア

インド・タイ・韓国・インドネシア・シンガポール・マレーシア


中南米

ドミニカ共和国・ベネズエラ・エクアドル・チリ・パナマ


中東

サウジアラビア・イスラエル・イラン・アラブ首長国連邦・イラク・カタール


アフリカ

南アフリカ・ナイジェリア・アンゴラ・エチオピア・ガーナ




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