政治にワクワクを!現役大学院生NO YOUTH NO JAPAN 代表能條桃子が20代に伝えるメッセージ

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能條 桃子

1998年生まれ

一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事。

慶應義塾大学修士1年生の現役大学院生起業家。大学4年時のデンマーク留学を契機に、社会課題を解決するために政治分野での事業を展開。2019年にNO YOUTH NO JAPAN(2020年に一般社団法人化)を立ち上げ、20代がより積極的な政治参加ができるように活動中。

INDEX

PART 1 /  社会課題と政治、若者の政治参加について

Special edition / 当社オリジナル分析で能條さんをCHECK!

社会に余白のある国デンマークが与えたきっかけ

— 政治分野で事業を興したきっかけについてお聞かせください

中学生のころから格差や大量消費社会、ジェンダー平等といった今の日本の社会問題があり、「何でそんなに解決しないのかな?」と問題意識がありました。大学に入学し勉強する中で、様々なビジネスのアプローチから解決しようとする人がいれば、政治など他の分野から解決を目指す人もいることに気がつきました。政治の分野で行動しようと決意したのは、1年間デンマークに留学したことがきっかけでした。

私の価値観からすると、デンマークがキラキラして見えたのです。ジェンダー的にも経済的にも、より人々の平等が実現されていました。労働時間も短く、みんなが自分の時間を持って、自分の意見があって。日本にいる時に私が問題だと感じていたことの多くが解決されている国でした。この差がどこからくるのかと考えた時に、一番の違いはパブリックな部分の充実で、社会に余白があることだと思いました。今の日本社会は経済的な価値が一番の評価軸になっており、何をやるにも経済合理性で判断されます。例えば街中に人が無料で何時間もいられる広場が少なかったり、立場が異なる人が出会う場所がなかったり。私は日本の市場経済の中で、受験や有名企業への就職などゴールが設定されている生活に慣れていたんだなと思いました。このままでは現行の資本主義システムの中で多くの人が疲弊して終わってしまうのではないかと危惧しています。労働時間の短縮や昇給のためにも、もう少し各人が社会について考える時間が必要だと思います。こうしたデンマークと日本の違いは政治の透明性や民主主義の成熟度の差から来ている部分が大きいと思います。そのため、解決するためにはもちろんビジネスも大切なのですが、同時に政治も良くならないといけないと考えています。その想いから私は社会課題に政治面からアプローチすることにしました。

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​若い世代が政治に求めていたわかりやすさ

そういったことを考えている際に、タイミングよく日本で選挙が行われると知り、「まずは若い世代の投票率を上げよう!」と考えました。若い世代が投票に行かない理由を考えると、分かりやすい情報がないことや、そもそも学校で政治のことを習っていないことが原因だと思い、ポップにかつ分かりやすく政治情報を解説するインスタグラムのアカウントを作成しました。選挙前二週間で立上げたのですが、二週間でフォロワーが1.5万人にまで及び「こういうのをみんな求めていたんだな!!」と、続けていくことを決めました。

底知れぬ不安を乗り越えた

— インスタグラムのアイディアを実現させるための仲間をLINEで募った際に400名の方が集まったと伺いました。「巻き込み力」を感じるのですが、ご自身ではどのように認識していますか?

巻きこもうとは思っておらず、どちらかと言うと「助けて」という感じです。小さいころから親戚の誕生日会を実施する際に、自分のしたいことを表明して周りから協力を得て形にするという小さな成功体験を得ていました。そういった経験を積んでいるため、それが良い特性として働いてると思います。

代表なのでリーダーではありますが、自分が前に立ってメンバーを引っ張るというよりも、「こういうことがしたい」とビジョンを伝えてメンバーに助けてもらう、弱みをさらけ出すタイプです。おかげさまでLINEで協力者を募った際に400人近くの方が集まってくださりました。

— 最終的に20名にまで絞る際、能條さんが大切にしたことは何でしたか?

「参加型デモクラシー」に共感があるかどうかです。社会に出ると、今あるシステムの中でボーっと生きることはできると思います。しかし、そうしてただ時間に身を任せて生きている人の中には、社会が良い方向に進むように誰かが行動してくれると考えている人も多いと思います。しかし、実際はそうではありません。社会は誰かが作っているのではなく、全員が社会を作る側です。つまり、私たちたちが何もしなかったとしても、それは「何もしてない」という意思表示なのです。そのため、私たちの声を届けることはとても大切で、この社会を良くしようと思うのであれば、誰かを説得しよう、ではなく、自分から変わろうと考えなければいけないと思います。そういった考えに共感できるかどうかを見ています。

​投票に行かない人を、上から目線で「意識の低い人」と括ることや、そういった人が良くないからその人たちを変えていきたい、という態度ではなく、自分自身も周りの人達も気付いたら行きたくなるワクワクを作らなければいけないと思います。この考え方が合わないと私たちの活動はとても遠回りで小さなものに見えてしまい、活動に全力を注ぐのが難しくなってきてしまうと思います。現在団体に所属してくれている70人のメンバーも同じだと思います。

​政治には正解がある、という誤解

— 日本人が政治に関して発信することに対して何か感じることはありますか?

多くの方が誤解している部分があるのは、政治には答えはないということです。どの考えに至っても良いですし、誰に投票しても正解なのですが、正しい答えがあると思っている人が多いように感じます。正解を探さなければいけないというプレッシャーを無意識に感じている人は多いと思います。これは、教育の中で正解がある問いばかり解いてきたことで、政治にも正解があると考えているのかもしれません。また、テレビなどで政治に関するディスカッションを見た際にも、有識者がこれだけが正解だ、という口調で話していることも、正解があると錯覚し、間違った発言をすると批判されるのではと思ってしまうのではないでしょうか。そのため、対話ができる土壌を整える必要性を感じます。

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​尊重するためのルール:Yes,and…

— 確かにテレビ番組とかで政治の意見をぶつけ合うとかを想像した時に、専門家が語気を強めて主張している場面を見て、その人と違う主張をすると攻められるかも、と感じたことがあります。

私もそのシチュエーションが苦手で、見たくないです。「ちょっとやめてやめて」みたいな。だから皆さんが政治を嫌いになる理由は分かります。ただ私は政治の話がとても好きで、それは政治が社会問題を解決できるツールだと思っているから、という側面もありますが、NO YOUTH NO JAPANではどのような人の意見も大切にしており、とても話しやすく、違う意見であっても「なるほど、そういう考え方なんですね」というスタンスで話すと、楽しく話せる感覚があります。

「Yes,and…」という、私たちが大切にしているバリューがあります。相手の意見が自分の意見と異なってもまずyesから始める、ということです。一度Yesで受け取り、でもこういう視点もあると思う、や私はこう考える、というイメージです。これを意識することでNO YOUTH NO JAPAN内では自由闊達に議論できる雰囲気ができています。こういうものがどんどん広がると良いなと思います。

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一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN

代表理事 能條 桃子

1998年生まれ

一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事

慶応義塾大学院修士1年生の現役大学院生起業家。大学4年時にデンマークへ留学したことを契機に、社会課題を解決するために政治分野での事業を展開。2019年にNO YOUTH NO JAPAN(2020年に一般社団法人化)を立ち上げ、20代がより積極的な政治参加ができるように活動中。

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